第7話の感想というよりも、これまでのことを含めて思いついたことをダラダラと書いてみたいと思う。
■ 笑いとメタファー
ネットニュースで「おばちゃん達の戦隊ヒーローコスプレが寒い」とか言われていて、頭が痛くなった。相変わらず表面的なことしか見ていない。
クドカン作品の場合、笑わせながら提示してくるものに意味を持たせることが多いので油断できない。「戦隊ヒーロー」は明らかに「正義」の象徴だ。おばちゃん達の正義は次回フューチャーされるようだが、戦隊ヒーローの正義はちょっと安っぽいので、頓挫する可能性もあると思っている。「姉御ミルフィーユ」だっておばちゃん達が踏みつけにされてきたことのメタファーだろう。こういうのを単に笑いのためだけにやってしまうと、どんどんコントに近づいていってしまう。これはドラマなのだ。笑わせるためだけのものではない。
■ 「テレビの中の世界」との交錯
今回は「女優」こと大門洋子(坂井真紀)が劇中劇『恋神』に図らずもエキストラとして出演するという場面があった。考えてみれば、このドラマでは登場人物たちが「テレビの中の世界」と交錯している。
板橋吾郎(伊勢谷友介)はテレビで女囚を扱った番組を観ていたが、そこに登場していた女達が勇介を誘拐し、吾郎自身を拉致・監禁する。彼自身がニュースや『かねもち散歩』などの番組に出演する側でもあり、妻の晴海(乙葉)は元タレントで、少なくともCMでテレビに出ている。勇介も開放された後、ニュース番組に登場しているので、ほとんどの人物がテレビに出ているという共通点があることになる。
だいたいこのドラマの冒頭が『サンデージャポン』という実在する番組に吾郎と財テクこと勝田千夏(菅野美穂)が出演している場面だった。
意図があってこういうことをやっているのだと思うが、何のためかはまだ分からない。最後に「そういうことだったのか」と唸らせてくれると期待している。
■ ちび社長がずっと気になっている...
こういう流れだと、ちび社長(江戸川乳業のCMや刑務所の歌)が出て来る可能性もあるかな、と思う。実は3,4話あたりで、姫と吾郎が二人とも真犯人では無い方が面白くなりそうで、じゃあ誰を犯人にすればいいかと考えた場合、ちび社長だったら良いのではないかと思っていた。動機はCM出演後いじめられたとか、歌とは裏腹に一家離散して勝手に江戸川乳業に恨みを抱いていたとか、いくらでも作れる。で、現在は護摩所長(池田成志)になっている、というのが勝手な想像(笑)。しかし吾郎は最終回まで監禁されたままらしいので、ちび社長犯人説を突っ込むのは苦しそうだ。ただ、「護摩」という名前は気になるところではある。
■ 「監獄のお姫さま」は江戸川しのぶ一人だけなのか?
今回「爆笑ヨーグルト姫事件」の実行犯である「プリンス」はタイで服役中であると言及されたが、同じタイ人であるリンが日本で服役してる理由が気になってくる。タイには王室があるので、彼女は実はプリンセスで何らかの理由で本国に戻れず、隠れるために刑務所にいるのでは?とか、ちび社長犯人説だとリン経由でプリンスに繋がったのでは?とか想像は暴走する(笑)。
「監獄」が精神的な意味を持つ可能性もあると思っている。それぞれのおばちゃん達の「姫」の部分が閉じ込められていたとか、より広い意味を持つことを期待してたりもする。